カタログやWebサイトの商品情報だけでは
伝えきれない新世代LaVie G タイプZのこだわりについて
NEC Directスタッフが商品企画担当の中井氏に
直撃インタビューを実施しました!
MOVIE
NEC スペシャルムービー LaVie Z meets すみれ
すみれさん出演のスペシャルムービー映像です。
―2012年7月に発表したLaVie G タイプZは13.3型モバイルノートPCで約875g、当時世界最軽量*1で
大変な反響がありましたが、今回は約795gとさらに軽量化されました。
新世代LaVie G タイプZの強化ポイントはどんなところにありますか。
中井:昨年のZは世界で最軽量のUltrabookを作ろう、目標は900g以下!というのが当初からありましたが、今回は先代よりもさらに軽くしよう、ということしか私(企画)から開発には伝えていません。 先代で相当知恵を絞って軽量化を果たしたので、あとどれくらい軽量化できるか、スタート当初は見当がつきませんでした。
―今回タッチパネル搭載モデルで世界最軽量(約964g)*2、13.3型ノートパソコンで世界最軽量(約795g)*3
と二つの世界最軽量を実現しました。ずいぶん欲張りましたね。
中井:新世代Zを企画するにあたって、市場調査をしたのですが、タッチの利便性を排してでも軽量さを突き詰めた方が良い、と回答された方と、軽さを少し犠牲にしてもタッチの利便性がほしいという方と、51対49でほぼ真っ二つに割れたんです。ならば両方作ってしまおうと。その二つには明らかに違うニーズ、ユーザーが見えたんです。
そこで二つのシンボリックターゲットを設定しました。ノート最軽量はビジネスユーザー、ヘビーモバイラー。タッチ最軽量は主に学生で、スマホと同様タッチの利便性や洗練性など良いとこ取りをしたモデルです。
―IGZOモデル(タッチなし)では約795g!ずいぶん軽量化されましたね。
中井:軽量化は多岐にわたりますが、大きく4つあります。LCD、バッテリ、基板、筐体。目に見えないところもいろいろ軽量化しています。LCDではガラス厚が薄くなりました。IGZOモデルもタッチパネルモデル両方とも、先代の0.4mmから0.25mmになっています。薄くなるということは結果としてその分軽量化につながっています。
バッテリ関連についてはIntelの新チップセットHaswellで省電力化が大きく進んだことの恩恵が大きいです。通常であれば省電力化された分をバッテリ駆動時間に回すのですが、我々はバッテリ容量を減らして軽くすることを選びました。数値でいうと33.3Wh→29.6Whへ、約1割削りました。それでも駆動時間は従来モデルの約8.1時間から約9.2時間にアップしています。
基板についてもHaswellの省電力化とともにコンポーネント数が減らせたため、基板面積が小さくなったことで軽量化につなげています。
筐体ではマグネシウム-リチウム合金のボトムケース(底面)を0.5mmから0.4mmに薄肉化しています。パームレストの部分も0.5mmから0.45mmになっています。
―そんなに薄くしてしまうと強度に問題が出ませんか?
中井:そのあたりは先代モデルのフィードバックを取り入れています。今回形状が先代のやや丸みを帯びたカプセル形状から角ばったスクエア形状にしているのも、見た目だけでなく強度を上げる観点からの変更でもあるんです。
キーボードの剛性感はこだわりの一つですが、キーボード下の板金を高強度アルミに変更して軽さと強度を両立しています。
また、今回からレノボのThink製品のノウハウも取り入れ、ひねりに関する耐久試験の項目を追加したりしています。
―今回は新色(ストームブラック)が追加されました。
中井:塗装には加飾のほかに、素材の粗を隠す目的や、質感を高める目的があるのですが、シルバーというのはそういった部分で塗装回数を少なくできるんです。 先代モデルでは見送りましたが、Zを支持してくださる多くのヘビーモバイラーなお客様からはやはり黒がほしい、という要望が上がっていたので、今回「軽い黒」を作ることを目指しました。
ただ、これはとても苦労しました。先に言った通り、質感を上げようとコート数を増やすと重くなってしまうので、一回塗装で仕上げようとすると、どうしても表面の凸凹が目立ってしまうんです。そこで粒子の大きさなど塗料の成分配合比率を何通りも作って試作しました。 だいたい50種類以上トライしたと思います。おかけでツヤ感、触感ともに納得いくものができたと思います。
―ACアダプタの形状が変わりましたね。鞄に入れた時にかさ張らなくて気に入っていたんですが。
中井:若干厚くなりましたが約30mmに抑えていますし、体積としては10%程度コンパクトになっています。本体の減量分が80gですから、ACの減量分と合わせると約150g。タッチ非搭載モデルではACと合わせて約1kgになります。
―先代モデルと比べて見た目がずいぶん角ばっていますがデザインコンセプトは変化したのですか?
中井:新世代Zのデザインのキーワードは「フラット、スクエア、シャープ」です。
軽くても堅牢性を兼ね備えたモバイルとして見た目でも表現しようと考えました。先代では両端が丸みを帯びたカプセル型のデザインで、二枚の板が重なったように見えるデザインでしたが、両端を直角に天面から落とし込むことで全体を包み込むような一体感を出しています。
また、先代では天板の上部にプラスチックのアンテナカバーの境目がありましたが、今回はハイブリッド成形という非常に難しい技術を取り入れて金属とプラスチックの境目をなくしています。この部分もスクエアな印象をうまく出せていると思います。
そのほかにもスクエアなアクセントがいろいろなところに取り入れられていて、たとえば底面のゴム足を丸型から角型にするとか、スピーカーホールを丸型から角型にするとか。 排気口も細長い丸型の形状から当初は平行四辺形のデザインだったのですが、これだと強度を上げるのが難しい。
そこで機構設計の担当者と相談して真ん中から垂直に割って、その内側にリブを立てることにすれば強度を上げられることがわかりました。なので三角形の形をしているんです。 デザイン的にもちょっと遊びの要素が入ってて面白いと思いませんか?
ユーザビリティの観点から今回もパネルを持ち上げる際に指のかかりをよくするようにΣデザインを取り入れています。また、個人的に先代のタッチパッドのフィーリングに納得していなかったので、よりクリック感が感じられるように変更してもらいました。比べてもらうと結構違いを感じてもらえると思いますよ。
あと、今回スクエアがコンセプトのZですが、一か所だけ丸いところがあるんです。 わかりますか?ヒンジの部分です。手に持つ時って自然とヒンジ側を持つと思うのですが、手に持った時にソフトな感じになるように、ここだけは丸くしているんです。
―なんだか思いやりを感じられてうれしいですね。最後に一言お願いします。
中井:LaVie G タイプZのような尖った商品はサプライズが必要だと思っています。
でも2、3日で飽きられてしまうようなものではサプライズとは言えないですよね。
今回800gを切ったことは相当インパクトあると自負しています。
他メーカーぶっちぎりの軽さ、そう簡単には追い付かせないぞ、という思いを込めています。
毎日Zを持ち上げるときにこの軽さに驚いてほしいですね。
―ありがとうございました。
LaVie Zを紹介している記事へのリンク集です。